『手紙』
東野圭吾(著)
あらすじを引用します。
武島剛志と直貴は二人きりの兄弟だった。
弟の大学進学のための金がほしくて、剛志は空き巣に入り、強盗殺人の罪を犯してしまう。
服役中の剛志から直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く。
しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。
ある職場で疑いをかけられ、倉庫に異動させられた直貴のもとに現れた男性は、「差別はね、当然なんだよ」と静かに言うのだった――。
年月が流れ、家族を持った直貴は、ついにある決意をする。
人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。
犯罪加害者の家族を真正面から描き、映画化(主演・山田孝之)、舞台化もされ、感動を呼んだ不朽の名作。文春文庫史上最速でミリオンセラーとなり、200万部を売り上げるベストセラー。
私が『手紙』を初めて読んだのは中学生の時でした。
読書が好きになって、間もないころに読んで衝撃を受けました。
世の中の理不尽、家族とは、赦しとは、加害者側の身内の苦労、自殺…
などなど、中学生だった私には内容が重すぎました。
この本を読んで、中学生ながらに本を読むことの大切さを学んだようにも感じます。
読書によって物語を疑似体験し、感情を覚える。
これが大切だったのだと今も感じています。
加害者側の家族の気持ちなんて考えたこともなかった中学生の私が、
本当の意味で、他者の立場に立つことの難しさを学べました。
やはり、東野圭吾さんは王道にして最強だと痛感します。
繰り返し読むほど、いい本です。
読むたびに学びがあります。