『正欲』
朝井リョウ(著)
第19回 本屋大賞ノミネート!
【第34回柴田錬三郎賞受賞作】
あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、
ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。
昨年、最も衝撃を受けた作品です。
『正欲』を読むまでは、”多様性”を理解した気になっていました。
本当の意味での差別や偏見をなくすのは難しいと、考えさせられました。
「自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」
この言葉が刺さりました。
現代は、マイノリティの中のマジョリティだけが涵養されているのではないのか、
そう思ってしまいます。
どの範囲までの”癖”が認められるべきか、真剣に考えてみてください。
LGBTだけが多様性ではないですよ。